son.03.sep.
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九月ですな。事情があって、金曜日、土曜日ともに心穏やかではない、週末を
迎えられなかった。ようやく日曜日になって、音楽を聴ける、楽しめる状況になる。寒さをぶっ飛ばせ、ということで、おなじみヴァーグナー、マーラーなど
を。要するに、後期ロマン派の音楽で、暖を取る、ということだ。
<本日聞
いた音楽>
ク
ナッパーツブッシュ指揮ベルリン・オペラハウス管 ヴァーグナー:『パルジファル』第三幕 米Music&Arts

(Knaによる戦時期の録音、かつ纏まった形での最初のParsifalであり、更には、ベルリン・オペラハウス管を振った唯一の(第一幕への前奏曲があ
るようだ)放送録音である。)
ナ
ガノ指揮ハレ管 マーラー:『嘆きの歌』(初稿) Warnner

(初稿による最初の録音、だと思われる。児童合唱団、及びスコア、楽器編成の編成が通常の第二版と異なっている。)
Botstein
指揮LPO ブルックナー:交響曲第五番(シャルク版) 米Telarc
 
[Franz Schalk]
(かつてはまった珍品、シャルク版によるブル5である。解説書を読んだらなかなか面白いのを発見。なぜ、ナチス時代にハースがブルックナーのスコアを研
究、発表したかというと、作曲家存命より、彼のスコアをユダヤ系の版元が発表したので、「純粋」ドイツ人であり、ヒトラー自身が、同郷の作曲家、ならび
に、ゲルマンの作曲家とみなしていたブルックナーを自己の文化政策の一環としてハースに依頼したようだ。ハースは戦時中のこういった政権との音頭とりの一
翼を担った為に、ブルックナー研究は以降は進まず、ノーヴァクがエディットしたのは有名である。尚、ブルックナー自身はシャルクの版に納得できず、初演に
も参加せず、存命中には聞かなかったようだ。ただ、全否定は出来ない、というか、ブルックナー自身もこの「改竄版」に参加した形式があり、シャルクにアド
ヴァイスをした痕跡もあるからだ。)
ラ
イトナー指揮バイエルン放送響 ブルックナー:交響曲0番他 独Orfeo
(前年に同オケとノイマンが初演した、ブルックナーの同郷の現代作曲家のヘルムート・エーダーによるオルガン協奏曲『武器を持つ人々』が最初に収録されて
いる。その後、恐らく、1960年ではなく、1970年と思われる、ミュンヒェンでのライブ録音のブルックナーの0番が、其の後のメインである。版は通常
のノーヴァクではなく、ヴェス版だが、ノーヴァク版の練習総譜を見た。)
ハ
ンプソン独唱 ベリオ指揮フィルハーモニア管 他 マーラー:歌曲集 独Warner

(話題になった、イタリアの現代作曲家であったルチアーノ・ベリオがマーラーの初期のピアノ伴奏版の歌曲集を管弦楽に編曲し、更には彼自身で指揮したもの
である。ハンプソンはTVなどのドキュメントで見る限り、ややくせのあるーアメリカ人に特有のアクセントードイツ語を話すが、歌う時にはそれほど嫌ではな
い。また、彼のオペラ歌手としての演技力がここでも、リーダー歌手として、特にマーラーの!それに実にぴったりはまっている。正直言って初期のマーラーの
歌曲はシューベルトの真似に近似しているが、ほんの少しとはいえ、彼の独自が見かける、いや聞かれる。)
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mit.06.sep. |
忙しいのだが、帰宅途中でCD屋訪問。
昨日、ボスより聞いたのだが、ヴァルナイが前日死去したとのこと。これで、リューザネク、ニルソン、ヴァルナイと一世をふうぴしたWagner歌手が全
滅したことになる。ご冥福をお祈りいたします。
本日は、大日本国にとって素晴らしいニュースあり。
<今月購入したCD>

@ベーム指揮ナポリ・サンカルロ劇場 ヴァーグナー:『タンホイザー』 独
Walhall 6.99E

@ライナー指揮MET ヴァーグナー:『トリスタンとイゾ
ルデ』 独Walhall 6.99E

@カイルベルト指揮バイロイト祝祭管 ヴァーグナー:『ヴァルキューレ』 独
Walhall 6.99E

@ファイエルシュタート指揮オスロ・フィル他 ヴァーグ
ナー:『神々の黄昏』 独Walhall 8.99E

@ツァーリンガー指揮ヴィーン響 モーツァルト:『イドメネーオ』 独Walhall 6.99E

@アーベントロート指揮シュターツカペレ・ベルリーン ベートーヴェン:『フィデリオ』 独Walhall 3.99E

@ブレッヒ指揮シュターツカペレ・ベルリーン他 モーツァルト録音集 独archiphon 1.99E

@スツェンカー指揮 マーラー交響曲第三番、第四番、ベートーヴェン:交響曲第五番 3CD 独archiphon 5.99E

@オーマンディ指揮フィラデルフィア管 マーラー:交響曲第十番 SonyBMG 6.99E
<本日聞
いた音楽>
ベー
ム指揮ナポリ・サンカルロ劇場 ヴァーグナー:『タンホイザー』より
(酷い録音、へろいオケ、だと思っていたのだが、良い意味でそれを裏切ってくれた。ベームの指揮も緊張感溢れる、引き締まったものだが、引き締めない程度
でなかなかに燃えているし、煽っている。オケもなかなかに好演している。笑えるのは時代だからしょうがないのだが、歌手はドイツ語で歌っているのだが、合
唱がイタリア語。どうにかしろよこの不統一感!Wagnerをイタリア語でだと!不敬罪じゃ。)
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don.07.sep. |
涼しいと思っていたら、急激に蒸し暑い残暑というか、晩夏の模様。
地下鉄内とか、人ごみの中は非常にむんむんするのであった。
<本日聞
いた音楽>
ベー
ム指揮ナポリ・サンカルロ劇場 ヴァーグナー:『タンホイザー』より第三幕
(歌手と合唱の「相違」がなかなか面白い、というか滑稽なのだが、演奏自体はなかなかの熱演であり、それはそれで評価すべきであろう。しかし、歌手は有名
人揃えているわりには、さほど宜しいとは言いがたい。残念なことだが。)
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son.10.sep. |
気持ちの良い日曜日の晴れ模様。こういうときには爽やかな音楽でも、といい
たいのだが、思いっきりエクスタシーを感じる『トリスタン』で。
<本日聞
いた音楽>
ラ
イナー指揮MET ヴァーグナー:『トリスタンとイゾルデ』 独Walhall
(裏に表記されているように、音がなかなかに悪い。だが、ライナーと意図するところ、「非ドイツ的な」解釈、あっさりしていながらも、クリアーで、新世紀
的な取り組みようは、傾聴に値する。ヴィナイのトリスタン、トラウベルのイゾルデも絶好調である。やはり、Wagner、TristanはLiveでなけ
れば!)
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sam.23.sep. |
最近お疲れ気味。肩凝り・腰痛がやばいかも。それにしても、約二週間ぶりの
登場。
先日、なんと裏庭で兎、しかも野兎を発見。「裏庭に二羽鶏が・・・」なんという次元ではなく、都会の、し
かも都市のど真ん中の家でこういった光景が見られるのは不思議な趣を感じた。
昨日、金曜日は数ヶ月ぶり、でコンサートへ。初ラトルでしたな。曲目は、ベルリオーズの『ロミオとジュリエット』オーケストラ組曲(初めて聞く)、休息
後はストラヴィンスキーのバレエ曲『アゴン』(これもお初)、その後はベートーヴェンの交響曲第五番(ジョナサン・デル・マールのエディション)であっ
た。
前日に友人経由でポディウムのチケットを購入してもらったし、なにせ、ベルリンに住んでいながら、ベルリン・フィルの首席を聞いたことが無かったので、
物は試しでいってみた。
座る場所が管楽器、ティンパニーの後ろなので音響的なことはいうまい。しかしながら、全体的に面白くなかった。不満たらたらである。彼の独自色であるリ
ズム感やダイナミズムが無く、試行錯誤の後がやや感じただけで、悪く言えば中途半端。
ベートーヴェンはもともと期待していなかったが、他の曲は「異色」な組み合わせで(ラトルらしいプログラムか?)オケもそれなりに一生懸命引いている割
には聞くほうの琴線に全くといいほど響かなかった。
本命のベートーヴェン、しかも第五は勿論、旧式スタイルの演奏が好きな小生にとっては、せっかくだから何か面白いことでもやってくれると期待したのだ
が、ベルリン・フィルの合奏力とはやりの古楽器的解釈の悪い意味での折衷で、才能の無駄遣いだと感じた。
それに、聴衆もなんであんな演奏で拍手だの、ブラヴォーだののたまうのか?これでは、指揮者、音楽家が益々増長するだけで、結果としてよい方向には向か
ないはず。
私の好みを差し引いても(だからといって、古楽器的解釈を否定するどころか、真に才能あるアーノンクールとかガーディナーの演奏は大好きなのだ)、殆ど
好印象を持たなかった。悲しくなった。ベートーヴェンはポップコーンでもなければ、コカコーラでもないのだ!
<本日聞
いた音楽>
ブ
リュッヒェン指揮18世紀オケ ベートーヴェン:交響曲第一番、第五番他 蘭Philips

(昨日の曲目だけの復習。しかしここでは、−たとえそれがCDという作り物だとはいえー自己の意識、及び存在意欲、解釈への強さがあり、聞いていて、好き
嫌いは別として、あぁ、なるほどど、納得する。ブリュッヒェンは今何をしているのかわからないし、18世紀オケ自体も、存在していないのかもしれないが、
ここでの「記録」はやはり立派なもので、彼らの歴史の一ページだと誇ることができようか。第五の第三楽章はリピートなし、第四楽章はリピートあり。)
ブ
リュッヒェン指揮18世紀オケ ベートーヴェン:交響曲第二番、第七番 蘭Philips
(引き続き、2CD目へ。生では第二番は聞いたことが無いが、第七番はインバル指揮ベルリン響によるクレンペラー張りの超弩級演奏を聴いたことがある。一緒に聞いた友人連はかなり不評だったのだが、
私は大満足であったな。あと、アンコールで第四楽章だけというのもあったが、ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレのものである。
第二番は木管の美しさ、というか古楽器独自の「暢気さ」が聞こえる演奏。攻撃性よりも叙情性を大事にしたものといってよいかもしれない。第七番は打って
変わってこの曲の本来持つ攻撃的なものを更に古楽器的に味付けたもの。「古楽器によるロック」と某評論家は評したがなかなかにして言いえて妙。また、重量
感にも過不足ない。
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son.24.sep. |
久しぶりに、TVで映画を見る。私が好きなジャン・レノが主演なので。日本
語では『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』というもの。最後がずっこけてしまうのだが、映像及び、途中までのストーリーはなかなかに抗し難い魅力
がある。悪役としてクリストファー・リーが出ているのだが、それほどこの名優を生かしきっていないのが残念。
<本日聞
いた音楽>
ブ
リュッヒェン指揮18世紀オケ ベートーヴェン:交響曲第三番、第八番 蘭Philips

(チクルスの続き。) |
mon.25.sep. |
ふーむ。腰痛が治らない。流石に一日中PCをいじっていたり、ネットで情報
探しをしていたりだからか。少しは動かないといけないのはわかってはいるのだが・・・。
それにしても、最近はまたまた初夏というか晩夏ー馬鹿ではないーの勢いを盛り返してきて、日中は非常に暖かい。
<本日聞
いた音楽>
ブ
リュッヒェン指揮18世紀オケ ベートーヴェン:交響曲第九番 蘭Philips

(色々と面白い演奏。第八までの演奏とこれは歴然として違う、そのことは解説書にも指揮者がわざわざかいているし、楽器やオケの編成などが、「重厚さ」を
増したといってよい。ただ、労多くして・・・ではないが、解釈自体はやや中途半端になった感あり。)
その他には、ブーレーズのこれでもかっというほどの完璧なまでの美しさのDebussy(旧録音、Sony)とC.Davis指揮バイエルン放送響によ
るMozartの『ハフナー・セレナーデ』(これ大好きなんです)。
昨日は、ジンマンのシューマンと、ブーレーズの洗練されたストラヴィンスキーを。
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mit.27.sep. |
やることは色々とある。肩凝りも治らない。これは久々にタイガーバーム登場
か?いや、登用か?
TVで放送していたのだが、今日は『バービ・ヤール』の記念日だとか。キエフで記念式典があった模様。だからってあんな根暗の音楽を進んで聴きたいとは
思わない。そういえば、一昨日だったか、モノクロのこれに関連した映画もやっていた。
asahi.comにも掲載されていたが、ベルリン話題のニュースがこれ。ソースは
BBC。この前の教皇の発言ともどもなかなかに考えさせられる内容である。
<本日聞
いた音楽>
ベ
ルグルンド指揮ボーンマス響 シベリウス:交響曲第一番、第四番 蘭Disky
[写真無し]
(ベルグルンドのシベリウス全集の第一目。冷たい感触よりも、怒涛のような北欧の嵐のようなパワフルで、情熱的なもの。第二全集のヘルシンキのが完璧であ
るが、これは若さというか、情に訴えたようなものだ。それにしても、御存知オランダのDiskyのものは廉価だが、安っぽいジャケットつくりには辟易。)
他には私にとっては珍しいムラヴィンスキーのショスタコーヴィチの交響曲第五番。ベルグルンドのシベリウスシリーズの第二CDで、交響曲の第二番と第五
番。
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sam.30.sep. |
またまた、暖かい日が続く。秋の陽気といったところか?
風が気持ちよいし、紅葉も綺麗である。こういったことはドイツ、ベルリンでは非常に珍しい光景であるのだ。
−三夕(さんせき)の歌−
「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」 西行
「さびしさは その色としも なかりけり 槙立山の 秋の夕暮れ」 寂連
「見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ」 定家
<本日聞
いた音楽>
Suitner
指揮シュターツカペレ・ベルリン ブルックナー:交響曲第七番 独ArsVibendi
[写真無し]
(下記ブルックナー八番と同様に、オケの機動力というか、直情径行型のものだが、普通の演奏よりも更にスケール・アップ、グレード・アップしたもので、そ
の天井知らずのフレームの大きさは他には変えがたいものがあり、小生はこの演奏をまずデフォルト、及びベストとしている。「原典版」で、第二楽章に壮麗な
ティンパニー・アタック及び、シンバル・クラッシュがある。尚、録音年はこのCDは間違いのようである。)
同
ブルックナー:交響曲第八番 日徳間
[写真無し]
(某U先生のお勧めだが、これは実に豪快というか、荒れ狂いまくりのブルックナーである。かのKegelに匹敵する位にオケをドライブして、管楽器や打楽
器を中心に鳴り捲っている。Kegelと異なるのは、ひねくれさ、とういか妙ないやらしさがないことか?其の爽快さ、及び隈取の深みはやはり、このコンビ
ならではかもしれない。他のオケであったら、たんなる五月蝿い喧騒に終わってしまったかもしれない。日本盤だが、録音も申し分なく、かなり良い。めくるめ
く金管楽器の壮麗さを聴くのには十二分である。)
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