"Und morgen wird die Sonne wieder scheinen..."

[Diary; Tagebuch; Diario; Journal; 日記]


「そして、明日も又太陽は昇るでしょう・・・」という歌曲の一節から とった
この項は小生が日頃何を聴き、何を考え ているかを記す場所です。

 
[W. A. Mozart]

[A.D. 2006 / Heisei 18 / Koki 2666]

March; März;  Marzo

[Last modification: 27.Mar.2006]


mit.01.mar.  二月は終わりぬ。[完了形]。さぁ、三月だ。今は忙しい。そうそう、今やっていることが終 わったならば、提出物を書き始めなければならぬ。[義務形]。

 この冬は本当に降雪が多い。本日も、朝から降雪で積雪。滑りやすくって危なっかしくっていやだねぇ。春はまだまだですなぁ。

 今日は朝から不機嫌。「出勤時」に地下鉄で「緊急事態」により、迂回して出動しましたよ。しかし、出勤先(職業訓練中っす)で、本日はネットのインス トールだとかで、早めに切り上げてきました。コーヒー飲んで、やるべきことをちゃんとしたからいいかな。でも、「自分的には」どうも、やり足らない感じ。 遣り甲斐の或る仕事はやはり面白いものだな。
 PCに向き合いっぱなしの仕事なので、一種の「重労働」なのだし、目が疲れて帰宅後には少し休息をとらないと、其の後の「自分の時間」が利用できない。

 今日は、何時ものようにCDを。が、最近、CD-Playerの調子が悪くて、しばしばCDがスキップしたり、読み取れないことがある。おいおい、まだ 一年しか経ってないぞな。大丈夫かPhilips?こんなんじゃ、日本製に負けるぞ。実際負けているし。でも、音響は最高にいい。安価ながら。

<本日聞いた音楽>

 ザンデルリンク指揮GOL ブルック ナー:交響曲第三番 独BerlinClassics
(Wagnerシリーズは続くよどこまでも。ダイレクトにWagnerというのではなく、少々?変化球でブルックナーを。大胆で、豪快。あらぶるもので、 後年の充分に熟成した「巨匠ザンデルリンク」からは創造できないような攻撃的ともいえる音楽の作り。それでも、巨匠的な懐の大きさや、呼吸の渋さはこの人 ならでは。音が割れるのは致し方ないかな?第四楽章でのベートーヴェン的な、もといロマン派音楽的な解釈には好悪が分かれるかも。)

 ケーゲル指揮ライプツィヒ放送響 ブ ルックナー:交響曲第九番 Ode Classics
(今は無きレーベルの貴重なライブ録音のCD。顔の表情は不機嫌だし、オケも洗練されてはいないのだが、不思議な説得力、というか抉り方の激しさに心を打 たれる。こういうのは真正ドイツ的、ブルックナー的ではないのだが、音楽のもつ純粋さであることには間違いない。)
don.02.mar.  本日も雪。三月になってまで、降雪とはねぇ。別に嫌いじゃないからいいけれども。

 最近はまっているのは其の名もずばり、Verdiの凄すぎ、死人も蘇るレクイエム。私の「ベスト」はやはり信じられないほどの緊迫が凄すぎる劇演フリッ チャイのDG録音(モノーラルでしかもスタジオ録音ですよ)。最近聞いてやはりびっくりたまげた。本日は、コルボのライブ(Virgin)。旧東ドイツの オケとイタリア指揮者のパターネのもの。

 CDではバルビローリも、二つもあるジュリーニ、これまた熱血男デ・サーバタ、二度目の録音のセラフィン、なぜかヨッフムのも欲しいなぁ。

<本日聞いた音楽>
 パターネ指揮ライプツィヒ放送響 ヴェ ルディ:レクイエム 独BerlinClassics

(熱血漢イタリア人の指揮者と、もっそりしている旧東のライプツィヒのオケ。しかも、録音場所はアコースティックが優秀とされているドレースデンのルカ教 会。少々歯がゆいながらも、指揮者の熱血ぶりはそれなりに出ている。でも、この人のもっと凄い演奏を知っている身にとっては、少々オケとの齟齬が悪いと感 じるなぁ。へぼいオケを叱咤激励しているのだが、やはりシュターツカペレ・ドレースデンとは条件が違う。)
fre.03.mar.  週末だ!仕事を切り上げてから、家に到着。軽く食事を取った後これまた軽く休息。その後、一 気呵成にCD屋に殴りこみ、ではないが・・・。

{今月のCDお買い物}

(通算4つ目の彼のヴァルキューレ。残るは同年のバイロイトの録音のみだ!Testamentが今年Ringチクルスを発売するが、さぁて実際に買えるか どうかは「微妙」である。)
@カイルベルト指揮バンベルク響 ヴァーグナー:『ヴァルキューレ』 バルセロナ!ライブ 独Walhall 6.99E


(これはインターナショナル向けのジャケット。小生のCDはドイツ向けのもの。)
@ミュラー・ブリュール指揮ケルン室内管 バッハ:マタイ受難曲 独Naxos 13.99E


@ハイティンク指揮LSO ブラームス:交響曲全集他 4CD 英LSO 19.99E


@C.Davis指揮LSO ドヴォルジャーク:交響曲第6-9番 3CD 英LSO 17.99E


@レヴィ指揮アトランタ響 マーラー:交響曲第七番 Telarc 2CD 4.99E


@Werthen指揮I Fimminghi 武満徹:映画音楽集 Telarc 4.99E


<本日聞いた音楽>
 C.Davis指揮LSO ドヴォル ジャーク:交響曲第六番、第七番、第八番、第九番 英LSOライブ
(総合的にLiveで、近年の割りに音の明快さに欠け、どうにもこうにもすっきりとした感じがしない。レンジが低いし、音の精度にも欠ける。独自の録音、 及びリマスターをしたようだが、どうにもこうにもこれでは程度の低い録音、作品と思わざるを得ない。また、最近のC.Davisのライブにおける、灼熱と いうか均整の取れていながらも、内的情熱度が高いものではない。オケも管楽器を含めてそれほど巧いとも思えないのだが・・・。勿論、弦の歌心は打たれるも のもあるし、Dvorakの曲の最低限のロマンティシズムは具現はしているのだが、「特別な」ものはこれらの演奏からは感じなかった。これはSACDを買 え、という商売戦略なのかもしれない・・・?)

 レヴィ指揮アトランタ響 マーラー:交 響曲第七番
(解説書には指揮者及びオケの「解説」もないという、解説書の役割を果たしていない代物。が、録音演奏共に実に優秀。ここに、佳きアメリカの姿を垣間見 る。)

son.05.mar.  日曜日の午後になると、誰でも次回の週末を楽しみにしてしまう。

<本日聞いた音楽>

 ビーチャム指揮 ヴァーグナー:『トリ スタンとイゾルデ』 ロンドン・ライブ 独Archipel
(1937年のライブである。フラグスタート+メルヒオールのゴールデンカップル。元々はEMI?への録音だったそうだし、フラグスタートではなくライ ダーがイゾルデ役だったそうな。一言でいうならば、この録音、強烈だ。戦前の黄金時代的Wagner演奏の一部始終が味わえる。
 言わずもがなの透明で絶叫だけではない実に音楽的なフラグスタートの美声は最後まで続くし、言葉の明瞭さもそう。対するメルヒオールのトリスタンも例の 調子で少々もっさりとしていたり、演歌調だったりするのだが、そのいかにも悲劇的かつ英雄的な声はやはり一つLegendであろう。
 強烈なのは我らがビーチャム!のオペラ演奏。まったりとしていながら、煽る所は煽動しまくり。勿論、ドイツ的ないわば「重さ」というのはここには無い故 に、「軽い」とか「薄い」という印象を最初は与えられるが、その実、実にトリスタンという傑作オペラの不可欠にして充分なエレメントを最高度に含有してい る。
 彼に率いられたオケもこれまた凄い。よくぞ、あの時代にあれほどの劇演が出来たのか、驚く。−ここでの表現は少し違和感を感じるがまぁ。更に更にこの録 音を高みに挙げているのはやはり録音。戦前でしかもライブ録音でここまで、明快で、すっきりとしており、奥行きのあり、各楽器の息が聞こえるのはやはり尋 常ではない。勿論、これらは現代のデジタル録音やステレオではないので、限界はあるのだが、それでも状況を考慮に入れるとやはり、優秀すぎるといっても過 言ではない。
 非常に優れてかつスリリングなものであり、楽しめた。)

 ハイティンク指揮LSO ブラームス: 交響曲第三番、第四番、セレナーデ第二番 英LSO
(「偉大なる中庸」、「静的な美観」というのが誠に相応しい大名演。我々は既にブラームスの全集として数多くの演奏を知っており、こらまでも、これからも その数は増えていくであろう。Haitinkは確か今までに二回全集をしているはずだが[BSOとの一回だけ?]、私は聴いてこなかった。しかし、この LSOとのライブは彼の芸術の総決算といってよいほどの高水準かつ、かれの芸術性及び曲に対する相性・また愛情を知らしめさせたというべきであろう。兎に 角、よく流れよく歌う。ブラームス独特のメランコリーや厭世観が淡々とした解釈の中に著しく輝いている。こういったものは、既に功なり名なりなした、いう なれば大人の人間がようやくにして達成できる技であろう。ふっくらとして、無抵抗にブラームス・ワールドへ誘う。
 オケもよくHaitinkの指導についてきており、特に、第三番のようにまとめ方が難しい曲も難なく、更には指揮者の意図をよく勘案して一体化して音楽 している。LSOは決してスーパー・オーケストラではないし、Liveでのしょぼい、とも取れる管楽器などの扱いもあるのだが、それでも、何しろ全てが自 然体で無理を感じさせないのはやはり名匠Haitinkだからであろう。
 録音もC.Davisのドヴォルジャークの時よりも自然にマッチしており好感が持てる響きである。全集としてザンデルリンクの旧盤、新盤、ボールトのも の、バルビローリのもの、クレンペラー、スィートナーーと並び優れた仕事であるといえる。)


 昨日は、セラフィンのエレガントで、これがスタンダードだと思われる、これまたはまっているVerdiのレクイエム(EMI)。リマスターも巧く出来て おり、歌手とオケとのバランスが巧い。更に演奏の特徴はやはり流れるような歌心。この曲に必要不可欠であるダイナミズムは勿論のことながら、歌い節の流れ が非常にイタリアオペラティックである。歌手の伴奏的なオケも、若きセラフィンがかなりくいこんでおり、百戦錬磨の兵どもにひけととっていない。 Caniglia-Stignani-Gigli-Pinzaの面子も当時のイタリアオペラの代表だけではなく、未来永劫の模範といっても良い。

 その前には珍しいバルセロナライブで、Wagner音楽祭での『ヴァルキューレ』を。オケもバンベルク響で、これまたオペラを演奏する上で珍しい。当時 の首席であったカイルベルトを仰いでやはり、ドイツドイツした規範であるWagner演奏を試みている。問題は、音質。恐らく、ラジオ録音からの模様で他 に良い状態のがなかったのであろう、最新のリマスターをもってしても、拡がらないレンジ、低音だけ強調され、高音に抜けがない。繊細さやきめの細かさが無 く、かなりもこもこしたものだ。バルセロナの劇場のホール・トーンもそれほど良いとはいえない。恐らく、演奏会形式だったのであろうか?それとも、通常の オペラ形式で?それでも、演奏が優れているだけに、実に隔靴掻痒。カイルベルトの指揮も、ややテンポを抑えて、交響曲のように解釈している。バンベルク響 は確か、面子がバイロイト祝祭管のメンバーであったはずだし、気心の知れたはず。
 尚、この音楽祭の時にヨッフムも同行し、『パルジファル』と『トリスタン』を演奏した模様だ。これらは録音が残っていないものなのか?

 昨日は更に、M.-ブリュール指揮の『マタイ受難曲』をスコアを見ながら聴いた。これが、まぁ驚愕の完成度。

mon.06.mar.  ブラック・マンディ開始。

<本日聞いた音楽>

 テイト指揮ロッテルダム・フィル R. シュトラウス:オペラからの管弦楽曲集 独EMI

(左はドイツバージョン。右はインターナショナル?バージョン。わんちゃんマークとエンジェルマークが違うのだ。)
(久々のR.シュトラウス。この作曲家は私にとって波があって、何度もどれでも聴きたいときがあればあ、やや耳たこ状態故に遠ざかってしまう時もややあ る。このアルバムに収められた曲はオペラ作品からの管弦楽曲集や編集曲ばかりで、彼の見事なオーケストレーション、カラフルで目まぐるしく変容する語法を 多いに楽しめる。久々に彼の音楽へのモーションへ誘ったのは、彼の丁度真ん中のオペラ作品である、「Intermezzo」からの「四つの交響的前奏曲」 である。ストーリーも作品自体も、それほど優れているとはいえないし、録音もSawallischのEMIへの商業録音しかないのだが〜他にVHSへの録 音があったかな?〜この「前奏曲」は少ないながらもいくつか録音がある。
 R.シュトラウスの隠れたエキスパートであるTate率いるロッテルダム・フィルの演奏自体珍しいが、コンセルトヘボウの影に隠れがちな他のオランダの オケの一つであるこれもなかなかどうして健闘している。これはひとえに指揮者の棒のなす技である。オランダのオケの特徴の一つである、柔らかいパレットと ドイツや東欧のような「渋い」響きとは違った渋さがりながらも、曲が曲だけに派手派手しいゴージャスな音響体を感じる。『無口な女』のPotpourri におけるどんちゃん騒ぎもなかなか板についているし、最後に置かれた超巨大オケの作品、『影の無い女交響的幻想曲』もそのファンタジー面を十二分に出して いる。)

 メータ指揮BPO R.シュトラウス: オペラからの管弦楽曲集 墺Sony

(上記のテイトと似たような曲集。ただ、こちらの方は天下のBPOと音響が素晴らしいSonyのSBMの録音。だが、オケが良くとも〜「より良くとも」、 音質が良くとも、それがすなわち感動的か、となると違う次元のものだ。オケもBPOらしく素晴らしく、いや本当に素晴らしく豪快に鳴っているし、音響も Philharmonieで録音されたせいし、それにSBMが効果的なのだが、どうにもこうにも、琴線に触れるような録音ではなかった。こういう音響効果 だけで〜BPOが得意とするところの〜R.シュトラウスのご本家、正統派と判断されてしまうのは憤慨である。ただし、このCD自体は何度も言うように優れ た演奏であることは間違いない。
 尚、ジャケットは例のごとくにクリムトの作である。タイトルは・・・・「Judith II」。1909年昨。)

 ケーゲル指揮ライプツィヒ放送響 ブ ルックナー:交響曲第九番 Ode Classics
(最近聞いたCDの中からの再聴である。実は以前、それほど集中しておらず流し聴きだったのである。Kegel特有の無愛想な解釈、へぼいオケ、荒い録 音、の中からなんともいえない、ミステリアスな得体のしれない蠢くものが聞こえる。)

die.07.mar.  今日で、一先ず第一次職業訓練は終了。自分で言うのもなんだが、やはり、仕事をしているのは 遣り甲斐がありますなぁ。早いところ給料貰って(これが大事)本格的に働きたいものだ。

<本日聞いた音楽>

 モントゥー指揮VPO ベートーヴェ ン:交響曲第六番、第八番 仏Decca

(知られざる大名演。ベームやワルター、VPOならばイッセルシュテットの録音の影に隠れてそれほど注目されない。が、しかしである。このモントゥーの演 奏は以上の代表的なものとされている演奏と比較して、比べられないほどのエレガンスと、それだけではない内的燃焼度、芯の強さを感じる。驚くべきは70- 80歳の「長老」指揮者が、VPOという武器をもって、これほどまでにフレッシュで、しかも自分の意図を出しているということ。ベームやワルターの「一見 正統派」よりも、もっと深みや真実を語っているし、押し付けがましくない、また、新しい発見までもある演奏がこれだ。
 残念なのは、このフランス版のCDで、リマスターはもとより、最悪の初期デッカステレオのごりごり録音というもの。特にVPOとの録音で有名な Sofiensaalのそれは、録音の悪さで損をしている感じだ。
 それにしても、Deccaはモントゥーに対して本当に不実で、他のマイナー指揮者、クリップスやらマルティノンのBoxは出しているくせに、その一演奏 毎が傾聴に値するモントゥーのDeccaの演奏は見向きもしていない。こういうところ、ヨーロッパ人の審美眼を疑うよ。というのか、日本人の「変態的趣 味」なのであろうか?否、この件に関しては自信をもって、この偉大なる指揮者を絶賛する。
 頼むよDeccaさんよ。)

 シューヒター指揮NDR響 ヴァーグ ナー:『ローエングリン』〜第一幕 独Walhall
(集中力に欠けたまま、聴いたのでそれほど印象が残らなかったのは私の責任。元々はEMIへの商業スタジオ録音である。)
mit.08.mar.  本日は図書館へ行くが、それほど重要なものは見つからず。残念。無駄足だったか?

<本日聞いた音楽>

 シューヒター指揮NDR響 ヴァーグ ナー:『ローエングリン』〜第二及び三幕 独Walhal
(それほど特徴が強い演奏ではなかっ た。残念。しかしながら、ショックのLohengrin、フリックのハインリヒ王の歌唱ぶりは流石である。音質は狭すぎて、窮屈が感じがするし、音響にお ける肌理の細かさも感じられなかった。残念!)

 モントゥー指揮VPO ベートーヴェ ン:交響曲三番 仏Decca

(昨日の続き。問題ありの音響。流石アマチュア録音技師がやっているDeccaである。)

don.09.mar.  本日は少々苛立ち。まぁ、たまにはこういう日もあるでしょう。毎日だといやだが・・・。

<本日聞いた音楽>

 L.Ludiwg指揮ベルリン市立歌劇 場管 ヴァーグナー:『タンホイザー』全曲 独Gebhardt
(一期一会の燃焼度の高い熱いライブ。面白いのは最後の合唱で児童合唱団を使用していることだ。いままでにもこの録音意外それを使用しているのは聴いたこ とがない。)

 Haitink指揮VPO ブルック ナー:交響曲第三番Oeser版! 独Philips

(左は廉価版2CDでのもの。右はオリジナルのもの。)
(なんと珍しいOeser版による録音。手持ちのスコアはNovakのしかないから、参照しなかった。所々聞きなれないフレーズ、メロディーラインがあ り、それがまたブルックナー・マニアにはたまらないものだ。)
sam.11.mar.  本日も一面の銀世界。今冬はやはり、ドイツにしては異常な降雪量だと思う。今までに、これほど ベルリンで降雪・積雪があったのは記録ではないだろうか?

 11日付けのAsahi.comでAnna Moffoが亡くなったようだ。この人、活動期間が非常に僅かであったにも関わらず、私はその少ない録音の中から随分とその妖精ならぬ、妖声が気に入って いた。彼女の録音は私自身それほど持っていないのだが、聞いて、それと追悼としたい。

 同じく、政治的だが旧ユーゴのミロシェヴィッチがオランダの政治犯刑務所で死亡。この人の言説はなかなかに興味深かったし、ユーゴの民族・宗教問題など 複雑すぎて、こういった問題にそれほどかかわりが無い日本人にとっては非常に困難を覚えた。


<本日・昨日聞いた音楽>

 Haitink指揮VPO ブルック ナー:交響曲第八番(ハース版) 独Philips

(これもまた、流れが美しい、ブルックナーで至極自然で綺麗な音響効果を味わえる稀な演奏だと思う。VPOのブルックナーは玉石混交多々あるが、某有名だ けのベームのそれよりも自然体で、言うところの「無為の為」すら感じる。天晴れである。)
他にも、このコンビで第四番、第五番も聞いたが、やはり美さが光る名演だと感じた。

 カイルベルト指揮バイロイト祝祭管  ヴァーグナー:『ラインの黄金』+『ヴァルキューレ』 1952年バイロイト祝祭ライブ 独Archipel

(恐らく、今まで聞いた中で最もカイルベルトらしいドイツ的カペルマイスターの至芸だと思われる。歌手も一騎当千、連戦練磨の百勝の雄が揃いに揃ってい る。全体を通じてやはり一際輝いているのはヴァルナイのブリュンヒルデであろう。外面だけではなく内面、すなわちテクストの理解の凄さは、やはり一時代を 築いただけある人だし、フラグスタート、ニルソンと並んで、「Theブリュンヒルデ」といっても過言ではない。父親役のWotanのHnas Hotterも見事に尽きる。この年はSiegmundはヴィントガッセンではなく、トレプトウが歌っている。少々ガラに合わない気がするが・・・。第一 幕では、それよりも、HundingのGreindlがその悪役っぷりに徹していける。
 カイルベルトの指揮は、やはり翌年よりも、この年が出色の出来だと思う。1955年のはよくわからない。聞いたことが無いので。録音も流石バイロイト。 文句なしのものだ。)

 モントゥー指揮LSO ベートーヴェ ン:交響曲第五番、第七番他 独Decca

(一発目の第五の冒頭から気合の入っている音が聞こえる。これが、80歳なる芸術家の集大成なのであろうか?ストレート勝負で、それでいながらはったりの ない。だが、一本調子の陥ること無い、極めて高水準の演奏である。ベートーヴェンは何千、何万と聞いた耳でも、これは実に「新しい」。音もすこぶるいい。 天晴れ巨匠!尚、このLSOを振ったセットだが、フィデリオ序曲だけ挿入されていない。日本盤の全集には、全て、『第九』及び『ラ・マルセイエーズ』のリ ハーサルが収められているようだ。)


日本盤のジャケットはこれ。6枚組みで53Euroだそうな。
son.12.mar.  雪雪雪。やっぱりなんだかんだいっても、ここは雪国ですなぁ。

 昨晩、必要があって武満徹と川田順造の公開往復書簡集の新書版である『音・ことば・人間』 岩波書店を流し読む。武満は日本でも有数な、そして唯一世界 的な名声をもつ作曲家であることは、ここに記す必要もないのだが、彼の文章もなかなか含蓄あるもので、改めて日本文化を考える上で大きな道標だと思った。 彼は単なる日本独自、という言葉を忌み嫌い、西欧と日本の差異をことさらに強調しながら、その違いを強引に混合させることなく、認識・把握させるもので、 こういった「リベラルな」考えは今でも、いや今だからこそ必要なものなのであろう。
 芸術家だからこそ成し得たこういったリベラリズムを我々も少しは享受すべきだ。理論と実践の両立は困難ながら、やはり意義在る書物だと感じた。

 昨日この本を読んでいて分からない言葉が出てきたので、Yahooの辞書で調べた。その言葉とは、「エクリチュール」なのだが、出てきた単語は・・・ 「アバンチュール」、「エープリルフール」、「エチュード」、「オートクチュール」、「エクスタシー」、「スクリュー」という頓珍漢なものであった。
 尚、国語辞書では、フランス語エクリチュールは、「文字」、「筆跡」、「書くこと」、「表現法」、「書法」という意味らしい。


<本日聞いた音楽>

 カイルベルト指揮バイロイト祝祭管  ヴァーグナー:『ジークフリート』 独Archipel

 モントゥー指揮LSO ベートーヴェ ン:交響曲第二番、第四番他 独Decca

 キタエンコ指揮フランクフルト放送響  スクリャービン:交響曲第一番、第四番 RCA

(史上最大のHな作曲家であるスクリャービンの代表作の交響曲を。以前に聞いたのが、なんと2000年10月だから、5年半ぶりの視聴である。なんともい えない、いやらしさで、しかも、それはドイツやフランスのそれではなく、やはりロシアのそれである。それでいながら、語法は独仏に習ったと思わせるもの で、R.シュトラウスや後期ロマン派が好きな私にとっては改めてその面白さを体験できた。でも、纏りに欠けるのが、彼の作品の欠点であろうか?
 他にも、第二番、ピアノ協奏曲の一枚。彼のピアノ協奏曲はラフマニノフのそれを先取り・予感させるものだ。)
mon.13.mar.  本日は雪が止んだが、「其の後」がいやだ。兎に角あぶないったらありゃしない。

 気がついたので小生の「アルプス交響曲」のサイトを更新する・・・・が、Upできない。なんたること!


<本日聞いた音楽>

 カイルベルト指揮バイロイト祝祭管  ヴァーグナー:『神々の黄昏』 独Archipel
(いよいよ、1952年のバイロイト公演も佳境に入ってきました。ここではジークフリートは前夜のアルデンホーフではなく、M.ローレンツが歌っている。 彼の歌い方は非常にオールドファッションだ。なんで、こういった変則的なキャスティングなのかはわかりかねるが、当時は普通だったのであろう。尚、ブリュ ンヒルデは三夜ともヴァルナイで、その艶のありながらも、非常に通る声の芸術が聞こえる。カイルベルトの棒も尻上がりに良くなってきており、緊張感と煽り のあるもので、聞き手をわくわくさせる。)
die.14.mar.  うーん、まだ、サイトがUp出来ない。サーヴァーがいかれているのか?一体全体何時間、何日 経っているというのだ。Geositeはどうもなぁ・・・。


<本日聞いた音楽>

 カイルベルト指揮バイロイト祝祭管  ヴァーグナー:『神々の黄昏』より第三幕途中より
(頭にこびりついてしまって。音楽と、ヴァルナイのブリュンヒルデがね。よって、本日もおいしいところだけ聴いてしまう。)

 ヴァント指揮WDRケルン放送響 ブ ルックナー:交響曲第一番、第二番、第三番

(彼の第一回目の全集録音。−NDRと のは全集ではなく選集ですがー。ケルン放送響とのかなり、鋭角的で、北ドイツ的作曲家のような錯覚をも覚えさせる演奏。緊張感とやや締め付けが厳しいクー ルでドライな解釈。純ドイツ的というのはもしかしたら憚れるかもしれないのだが、一つの巨大な音楽塊として聴く上で、更にスコアなどと照らし合わせて聴く とこういう、雰囲気だけではない解釈のほうがぴんときやすい。
 第一番は珍しいヴィーン稿。メジャーどころではシャイーが全集の中でやっているが、きいたことはない。第二番はハース版だが、解説書には「非短縮最終 稿」と書いてある。第三番は録音・演奏とも彼らにしては劣り、隔靴掻痒の感あり。この曲、昔はブルックナーの全てのシンフォニーの中で一番苦手であった。 恐らく、やや、躍動的過ぎるというか、動的というか、マーラー的というか、悪い言葉で書くならば、やや暴力的という印象があったからだ。ブルックナーらし くない、というのが正直だと思ったからだ。しかし、やはり、結局良い演奏で聴けば、感動するのはもっともなはなしである。00、0番と1、2番の作りに大 きな違いがあるのと同様、1,2番と3番との間にも大きな成長が見られる。

 Lyndon-Gee指揮ニュージーラ ンド響 ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲他 Naxos
(たまには、独墺系以外の作曲家で、しかも苦手方向に在る作曲家と思い、我らがショスタコーヴィチを取り出した。意外に彼の協奏曲はシンフォニーほど聴き づらくなく、オケと独奏者の調和が楽しめる。)

 ペニー指揮ロイヤル・バレエ・シンフォ ニア サリヴァン:コミック・オペラ序曲集 Naxos
(これは、イギリス版オッフェンバック、といったところか?脳味噌空っぽにして楽しめる音楽である。決して「音学」ではないのだ。)

die.21.mar.  一週間ぶりの更新。今、論文作成に煮詰まっていて。本とコピーの山・・・。でも、音楽だけはー 殆どBGMなのだがー聴いてはいる。いや、聞いている、かな。


<本日聞いた音楽>

 ヴァント指揮WDRケルン放送響 ブ ルックナー:交響曲第四番、第五番
 ハイティンク/ヨッフム指揮ACO  R.シュトラウス:管弦楽組曲集 Philips
(ヨッフム第一回目の『薔薇の騎士』のヴァルツ集は世紀の勘違い珍品・迷演。元祖伝統的ドイツ的縦型がつがつで、ぶっきらぼうのエレガンスと色気には程遠 い頓珍漢なもの。でも、受けた。面白かったぞ。)
don.23.mar.  春だ!祭りだ。ではないが、今日は昼間がぽかぽか、という形容は大袈裟ながら、気持ちの良い、 太陽のある一日だった。


<本日聞いた音楽>

 アーノンクールCOE ベートーヴェ ン:『ミサ・ソレムニス』 Teldec
son.26.mar.  今晩、というか早暁から夏時間採用。2時が3時になる。それにともなったわけではないが、数日 前からようやく暖かくなってきたので、ナイスタイミング、といったところ。そのせいか?朝起きると、少々鼻がむず痒く、眼もかゆくてしょうがない。花粉症 のせいかな?いやだねぇ。

 金曜日はSP、土曜日は本選。カナダのカルガリーでやっているアイススケートを生でTVで見ました。日本人は熱しやすく冷めやすい・「醒めやすい」国民 性だから、オリンピックや世界野球が終わると、直ぐに俄かファン・俄か評論家をやめてサッカーとか相撲に興味が戻るわけだ。
 で、良いものは良い、面白いものは面白い、美しいものは美しい。世界選手権の模様を所々オペラを聞きながら見た。やっぱり、アメリカの選手はどこか他の と違う。国民性がもろに出て、良い意味での自由さ・自発性・表現意欲が見ていて気持ちが良い。ってなんといっても、Sasha COHENなんですけどね。彼女の失敗しても、割り切っているというか、賭けではない、楽しんでいる様子が見ていて好感もてるわけです。オフィシャルサイトファンサイトもばっちりでして、流石アメリカ。売れる時にはとことこんモ デル並みに売ろうという商売根性が「素敵」。今回は、1位マイスナー(アメリカ。本選での演技は全てにおいて完璧。スタンディングオヴェイションも納得。 村主及びコーエンに無いもの全てが出ていた。感服。)、2位村主、3位コーエンたん。。。。

 また次があるさ。彼女なら何時でも優勝は取れるよ。まさに、天才型の選手ですな。また、スクリーンでお目にかかれることを!

 因みにフィンランドのKiira KORPIという人も結果は出ずとも花があった。

(ちょっとごついかな・・・)

 週末はオペラの日、なのは百も承知だが、今週はがっつんがっつんしたもので、WagnerでもVerdiでもないものを久々に聴いてみよう。というわけ で取り出したのがグランドオペラ。

 ボニング指揮NPO マイアーベーア:『ユグノー教徒』(全曲!) Decca


 ボニング指揮LSO グノー:『ファウスト』 Decca



<本日聞いた音楽>

 グイ指揮トリノ・・・響(ということに しておく):ベッリーニ:『ノルマ』 独Cantus

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