Bayreuth Report

[バ イロイト・レポート2008; 26.-29.Aug.2008, Bayreuth]


[Festspielhaus]


die.26.aug.2008  五月に某サイトで、今夏のバイロイト音楽祭のチケッ トーしかも、パルジファルーが入手できるようで、一緒に行きませんか?という掲示板があったので、早速駄目もとでメールを送ったところ、快くOKがでた。 あっけないというか、さくっと済んでしまったので、正直拍子抜けであったが・・・。

 チケットは各2枚で、今シーズンの最終週のチクルス、『マイスタージンガー』と、『パルジファル』。

 実は、これが実際に行動するまで、紆余曲折あって、仕事のデッドラインとか、パスの問題とか、お金の問題とか、交通の問題とか、出発前日まで慌しかっ た。

 ベルリンからは一番安く、そして直で行けるバスを利用(ネット購入往復77ユーロ)。数日前にネットで予約、近所の地区のバスセンター(初めて行った が、結構路線が多く、ドイツ国内は勿論、パリ、ロンドン、ワルシャワ、ブダペスト、ヴィーンまで行ける)。
 最終地はミュンヒェンだが、その間にライプツィヒ、ホーフ、バイロイト、ニュルンベルク、インゴルシュタットなどがあり、バイロイトはバイエルン州で も、歴史的に違う管区、プロテスタントのフランケン地区(詳しくいうと上部フランケン)に位置し、ベルリンから一番近い都市かもしれない。

 朝8:15ベルリン発で、約5時間程(DBと大体同じ時間ー途中下車を考えると、バスの方が早いか?)、途中ホーフで休憩があるまで、殆ど降車することが出来ず。
 凡そ、こういった旅行前日は寝られないのが普通なので、バスの中でうつらうつらする。

 ほぼ定刻通りにバイロイト中央駅に到着。知り合いは既にニュルンベルクよりバイロイト入りしており、駅前のマックで落ち合う。
 そのまま、駅側のホテルでチェックイン。部屋番号は101で、かなり狭いがなかなか利便性がある。

[ホテルより「緑ヶ丘を望む]
 天候は非常に気持ちが良いほどのもので、前日までの、薄ら寒さそして、雨模様は嘘のようである(私が旅行する時には、何時も晴れで少々暑い)。

 ホテルに到着後、荷物をかたし、先ずはその足で念願のヴァンフリート荘へ。


[途中のオペラ座。Wagnerはバイロイト祝祭劇場を建築する際に、この劇場の音響などを参考にしたようだ]

 ヴィラ・ヴァンフリートは中央駅より南側へ歩いて約15分。市街地を通り抜けて、バイロイト大学の手前、Hofgarten(宮廷の中庭)の一角にある もの。


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[Haus Wahnfried、入り口の銅像はルートヴィヒ二世]

 建物は地下1階、地上2階のもので、現在はヴァーグナー博物館になっている。一階は、正面にWagnerが使用したベヒシュタインのピアノ、そして、小 ホールとなっており、各Wagnerの音楽が流れてる。左右が展示場で、右側がアクチュアルなもの、左側が各オペラの主人公をモティーフとした絵が展示さ れている。その奥には、講演用であろうか、小ホール。

 玄関横の階段を使用し、二階へ上がり、吹き抜けにも各種記念のものが多々ある。ワーグナーは勿論のこと、ルートヴィヒ二世、各種指揮者、歌手、そして、 音楽家のもの。初演の時に使用した、衣装、ミニチュア、Wagnerの服(身長は166cm)、指揮棒、帽子、スコア、写真などなど。

 私が取り分け見たかったものの一つに、例のブルックナーが彼の交響曲をWagnerの献呈する際に、しこたまビールを呑まされて、第二番か第三番かどちらを献呈するのか忘れた ので、翌日ホテルからWagner宛に送ったメモー「トランペットの主題で始まるニ短調のほうですか」−「そう、そう、宜しく」というものであった。

 その他には、階段を上に下にして、バイロイト音楽祭の歴史。各指揮者のもの、サインなど。音楽祭シーズンゆえなのか、通常4.0ユーロの入場料が4.5 ユーロに”値上げ”されたとはいえ、ここは時間をかけて、ゆっくり見る、堪能すべきところ。素晴らしい!

 裏庭には、WagnerとCosima。そして、犬の墓。

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 その後、ホーフガルテンで散歩。

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 そして、いよいよ祝祭劇場へ足を運ぶ。当日は『トリスタン』を上演していたが、チケットはないために、あくまでも散策ということで。

[このように段々と]
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[徐々に・・・]
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[でたー]

 祝祭劇場は中央駅から北側にあり、ハウス。ヴァーンフリートから向かって反対方向。約20-30分くらい歩く。
 劇場横には、カフェ、レストラン、でたよの恒例のお土産や、そして郵便局、簡易診察所と警察まであり、至って便利。
 父が近々誕生日なので、記念カードを送る(後記:意外と早く日本に着いた)。



[奥様Cosima Wagner]
『トリスタン』の第一幕が終わったようで、客は足を伸ばしに(肉体的マゾヒズムの故か)外へ散策していた。

[御存知Richard W.]

 その後、緑ヶ丘を下って、市街に入り、散策。

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 途中で「休憩」ということで、一杯ひっかける。銘柄はMaisel。勿論生。

 その後、買い物などをして、一旦ホテルに帰り、晩飯へgo。結局、今回の旅で_も_アジア
を食べることになる。

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 勿論、晩飯時にはビール。そして、ホテルへ戻って、四半刻ほど休憩。その後、友人と再度呑み開始。
 第一日目はこのようにして暮れた。
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mit.27.aug.2008  旅行の際、私は何時もー疲れているにせよー寝つきが悪 いので、3時頃ようやく深い眠りに入ったと思う。翌朝は、ホテルでの朝飯時間を無視し、昼近くまで寝ている。


[中央駅。「バイロイトー音楽祭と大学都市]

 知り合いは、10:30からの当日の公演のための、講演会に参加したので、途中で落ち合うことに。
 本日も、昼食はアジア食で、タイ系のレストラン。中庭でヌードルを食す。勿論、ビールはMaisel!
 その後、買い物(ビール、水)を購入後、ホテルで着替え、イザ出陣。

 15時にホテルを出て、15分ほどで祝祭劇場へ到着。
 色とりどりに着飾った、紳士淑女を観察し、例の開始のファンファーレを聞いて後に、入場。

[『マイスタージンガー』第一幕よりの主導動機]

 2008/8/26水16時開始
キャストは。。。

Die Meistersinger von Nürnberg

Besetzung 2008

Dirigent Sebastian Weigle
Inszenierung
Katharina Wagner
Bühnenbild Tilo Steffens
Kostüme Michaela Barth/Tilo Steffens
Dramturgie
Robert Sollich
Chorleitung
Eberhard Friedrich

 
Hans Sachs Franz Hawlata
Veit Pogner Artur Korn
Kunz Vogelgesang Charles Reid
Konrad Nachtigall Rainer Zaun
Sixtus Beckmesser Michael Volle
Fritz Kothner Markus Eiche
Balthasar Zorn Edward Randall
Ulrich Eisslinger Hans-Jürgen Lazar
Augustin Moser Stefan Heibach
Hermann Ortel Martin Snell
Hans Schwarz Andreas Macco
Hans Foltz Diógenes Randes
Walther von Stolzing Klaus Florian Vogt
David Norbert Ernst
Eva Michaela Kaune
Magdalene Carola Guber
Ein Nachtwächter Friedemann Röhlig

というもの。
 演出は_あの_カタリーナ・ヴァーグナーで、2007年の新演出で話題をさらったもの。指揮者は、ベルリンでも聞いたS.Weigle。ザックスはハウ ラタ、ベックメッサーはフォレ。それ以外は知らない人ばかり。

 席は、パルケッテ左、30列、12で、音響的にはかなり良い。第一幕の前奏曲では、思うところあってか、目頭が熱くなってしまった。

 CDでは何度もお世話になっている、バイロイトの音響だが、やはりライブでは全く違う。モノーラルでもその響の効果が分かるし、ステレオ、デジタルでも バイロイト特有のあのフードに覆われた独自のWagner色が楽しめる。
 何しろ、あのふわーっとして柔らかい響、そして、各種楽器のクリアーに聞こえる建築構造、そして、如何にオケを鳴らしても、歌手の邪魔にならないところは流 石である。

 これはWagnerの音楽だけに効果的なのであるかどうかは知らないが、どうして現代のオペラハウスの酷い響は、このようなバイロイト特有の響にならないのか、そして、 建築構造をあのようにしないのか?所謂『神秘の奈落』はWagnerだけにしか当てはまらないのか?この響をMozart、Verdi、 R.Straussでもやってみれば面白いのに、と思った次第。

 全体としての感想は、演出は問題というか、才能の欠片も感じないもので、まだまだ経験不足の感が拭えず。奇抜というか珍奇さを狙っているだけで、もっと 深いもの、例えば、心理描写、歴史的背景などが無い。

 指揮者Weigle、はベルリンの際には、殆ど役立たずのものだが、数年聞かないうちに腕は上がったらしく、また、バイロイトの音響を把握してるせい か、かなり自分好みの、熱く、そしてクリアーで、こなれたものであったが、各歴史的指揮者と比較すると、まだまだ平均点で、「バイロイト音楽祭」として は、普通のものである。

 歌手では、ワルター、ベックメッサーが演技の点でも優れていた。特に、ベックメッサーは唯一の「悪人」という設定だし、滑稽さを出さなくてならないの で、難しい役だが、そつなくこなしていた。
 女性陣はこのオペラではそれほど重要ではないし、歌唱も平均点。ハウラタのザックスは・・・。不合格。第三幕初めから、明らかに体力不足、歌唱不足、第 三幕後半は、もうよれよれ。
 E.フリードリヒに率いられている合唱は流石。圧倒的でキラキラ光るものであった。

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 公演がはねた後は、レストランが殆どしまっていて、ホテル近くのバイエルン料理で、ビールだけ呑む。流石にソーセージとか、肉ごてごては23時-0時と かにはヘビーなので、勘弁こうむる。

 尚、公演始まる前にトイレ入り口で見かけ、小生の隣で用を足していた、サルミネンが、レストランでも発見。また、ザックス役のハウラタも近くで大声で喋 り捲っていた。
 その他には、幕間の休息で、CSUのラムザウアー発見。どうでもいい。

かくして、緑ヶ丘にも日が暮れて・・・
バイロイト第二日目は終わった。
don.28.aug.2008  睡眠は所々だか、よく寝られた。本日も長丁場なので、 なるべく体力は温存し、移動、無理をしないようにしたい。

 本日も、知り合いは講演会に行くので、分かれて朝食を。
 イギリス風にどっかーんとボリュームがあるものではなく、パン、野菜、果物、ハム、チーズなど。
 朝食ルームには、過去に宿泊したお歴々の写真が飾ってあった。
 クナッパーツブッシュ、カイルベルト、カラヤン、エルメンドルフ、ヴィントガッセン、ショック、ヴァルナイ、ローレンツ、ホーフマンなどなど。

 昼食は、朝食をとったばかりだったので、第一日目に晩餐をとった、アジアレストランで、昼食メニューのスープだけーかなりレヴェルが高かったし、C/P に優れたもの。勿論、Maisel付。
 その後、Plusで買い物ー水、ビール。

 前日と同じく、15時にホテルを出て、15分ほどで音楽祭会場へ到着。

Parsifal

Besetzung 2008

Dirigent Daniele Gatti
Inszenierung Stefan Herheim 
Bühnenbild Heike Scheele
Kostüme Gesine Völlm
Dramaturgie Alexander Meier-Dörzenbach
Chorleitung
Eberhard Friedrich


Amfortas Detlef Roth
Titurel Diógenes Randes
Gurnemanz Kwangchul Youn
Parsifal Christopher Ventris
Klingsor Thomas Jesatko
Kundry Mihoko Fujimura
1. Gralsritter Arnold Bezuyen
2. Gralsritter Friedemann Röhlig
1. Knappe Julia Borchert
2. Knappe Ulrike Helzel
3. Knappe Clemens Bieber
4. Knappe Timothy Oliver
Klingsors Zaubermädchen Julia Borchert
Martina Rüping
Carola Guber
Anna Korondi
Jutta Böhnert
Ulrike Helzel
Altsolo Simone Schröder

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 キャストは思いっきり、インターナショナル。指揮者はイタリア人(今シーズン初めて登場)、今2008年新演出の演出家はノルウェー人、ティトゥレルは ブラジル人、グルネマ ンツは韓国人、パルジファルはイギリス人、クンドリーは我らが?日本人の藤村実穂子(クンドリー役はヴィーンでティーレマンのもとに歌ったようだ)。


[Wolfgang Wagner最後の挨拶。今期で音楽祭より身を引く]

 全体としての感想は、先ず、演出は、可もなく不可もなく。昨今はやりのものでもなく、さりとて所謂「モダーン」なものでもないし、ようは、幕毎に20世 紀のドイツの歴史をおさらいするもの。舞台、衣装も、時代と共に変化するのは当然として、先ずは、第一次世界大戦(第一幕から第二幕頭まで)、第二次世界 大戦=ナチス時代(第二幕後半)、敗戦から復興まで(第三幕)。
 当時の兵隊のコスチュームとか、ナチスのSSとか、ハーケンクロイツ(これは流石にドイツ人では出来なく、ノルウェー人_ならではの_アイデアであろ う。案の定、演奏中ブーが出ていたが、クリングゾールが放った槍をパルジファルが受け止めた時には全て、破壊されるという、先が読める展開。
 また、演技が多すぎるというか、邪魔なものが多すぎる。さりとて、第一幕と第三幕の舞台展開では舞台が「展開」せずにー演出の最高場のはずなのだ が・・・・−がっかり。
 神秘的、宗教的なものをかなり排除し、歴史的に回顧する(なんのために?パルジファルをドイツに置き換える?少々無理があるでしょう)、というもの。ま た、パルジファルを歌手だけに登場させるのではなく、子供を使って、同時に演技させるのは良いとしても、それほど新しいものではない。
 やはり、やや説明的過ぎるし、題材を摩り替えたのはまぁいいとしても、それほど説得力のあるものではなかった。

 指揮者のガッティはそれほど悪い指揮者ではないはず?だが、やはりバイロイト初登場とあって、それほどこの劇場のこなれていないのが明らかで、また、 Wagnerの経験不足であろう、第一幕は殆ど音楽の垂れ流し状態。緊張感も面白みも、はたまた神聖さもない。第二幕からよくなったものの、曲を理解して いないせいか、普通の演奏。

 フリードリヒ指揮下の合唱は相変わらず素晴らしい。

 各歌手は、藤村は平均点(アンゲラ・デノーケみたいな風格)。決して悪くはないのだが、声量が劣るか?
 アンフォルタス、ティトゥレル、パルジファルともども、可もなく不可もなく、平均点か。グルネマンツは声はいいが、やはり風格ー設定では老騎士ーでかな り劣る。クリングゾールは声・演技ともども良くやっていた。

 本日も、サルミネンを発見。他には、第二幕後、前のザクセン州大統領のミルブラントがいた程度。だからどうした?

 席は『マイスタージンガー』の場所と左右入れ替えたような場所だが、少しは中央に寄っていた。両日とも、平土間の一番後ろで、音響的には後ろの方が当然良 い。

 公演後は、ホテルの近くのイタリア料理で、海老パスタを食す。勿論、ビール付。その後部屋へ戻り、同行者と再び乾杯。レーヴェンブロイを2杯飲み干す。 その後爆睡。
fre.29.aug.2008  バイロイト最後の日は、同行者がDBで行くために、よ うやく初めて一緒に朝食をとり、チェックアウト。10:15にニュルンベルク方面への電車を見送ってから。荷物をフロントで預かってもらい、散歩。
 基本、大したことはないのだが、13:30のバスが来るまでぶらぶら。
 先ずは、よくあるパターンの通りの名前チェック。緑ヶ丘の近くで。今回行かなかったが、ヘルマン・レヴィ、フルトヴェングラー通りもある。


[Felix-Mottl-通り]
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[Karl-Muck通り]
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[Knappertsbusch通りとParsifa通りーおつなもんです]
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[劇場までの、坂道はSiegfried Wagner通り]
その他にも、『ヴァルキューレ』、『マイスタージンガー』、『オルトルート』通りなどある。

 その後、進路を南に移動し、墓地へ。

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[リスト]
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[チェンバレン]
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[ハンス・リヒター]
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[マリア・ミュラー]
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[各Wagner一族]
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[ジャン・パウル]
以上。

 ベルリンに帰るにせよ、体力を温存しなければならないので、のんびり移動し、12:30に駅のマックで軽い食事。その後、ホテルでスーツケースをとり、 駅前のバス到着場で待つ。
 10-15分送れて到着。その後、一路ベルリンへ。
 ベルリン方面三箇所ほど、工事中につき、その為の渋滞があり、結局ベルリンについたのは75分遅れの、19:45。速攻で、家に帰宅し、ビールをあおり、食事もせず に、爆睡しました。
そ の後  バイロイト、という殆ど普通の人には一期一会の ”オケイジョン”があったことに大変感謝し、素晴らしい機会があったことに知り合いに感謝したいと思います。

 特に、時間的に、そして余裕的にかなりキツキツであったにも関わらず、10年に一回あるかないかの、「聖金曜日の奇蹟」よろしく、聖地バイロイトにいけ たことは、ワグネリアンとしてだけではなく、音楽愛好家、トラヴェラー、興味を持つ者、としてだけでも、類稀なる「事件」でありました。

 特に、パルジファルを他の劇場ではなく、ここ、バイロイト祝祭劇場で聞けるのは、小生の多くの夢の一つでありました。なぜなら、Wagnerはこの舞台 神聖祝典曲を他ならぬ、この劇場のために作曲したのであって、他のはCDをも含めて、いわば「ばった物」にあたるからでしょう。
 勿論、だからといって、他のが良くない、とか、全否定ではなく、小生のパルジファル経験の一つ花を添えたものかもしれません。

 思えば、1998年に初めて、ヴィーンでこの曲を聴いて以来、ベルリンに越してきて、バレンボイム+クプファーの国立歌劇場で、ようやく「理解」できる ようになり、ティーレマン+フリードリヒのドイツオペラで、堪能し、CDでも多くコレクションするように至りました。
 『パルジファル』はなかなかに理解が難しく、最初生で聞いたときには、全くといってよいほど分からずに、所詮他の多くのものと同様、一つの経験としてし か居合わせなかったのですが、長いこと年月を重ね、馬齢を重ね、そして経験、Wagner体験を重ね、ようやく最後から二番目に好きになったものです。

 特に、クナッパーツブッシュを聞くようになってから、『パルジファル』は彼の名前と切っても切り離せない、所謂運命の曲、という風で、この曲の持つ凄 さ、神秘さ、深さに舌鼓を打ったものです。
 ただ、その場合、どうしても、現代の演出、演奏と比較してしまい、回顧主義ではないにせよ、言わずもがな、昔の演奏が良かった、という風になってしまう のは、致し方ないのかもしれません。
 今回の、『パルジファル』の上演も、指揮者、演出、歌手ともども、決して悪くはないにせよ、どうしても、過去のものと比してしまい、”;一 期性”というよりか、伝説を呼び起こす、乃至は生み出す要素が以前よりも薄くなっている気がしてなりませんでした。

 他のポジティブな面を言えば、やはりその音響、そして、雰囲気(ザルツブルクと違い、音楽そのものを聴きに来ている、というそれ)、そして一人の作曲家 のある作品だけを
聴きに来てている特殊性が、当地の空気を通じて綿々と伝わったのであります。

 オペラの生も、いわんや、Wagnerのオペラも、数年ぶりの小生には再度生のオペラの素晴らしさ、そして終演後のビールの美味さを再確認できる数日だ けのスペシャルなイヴェントでした。


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 復習として昨日土曜日には『マイスタージンガー』(ヴァルヴィーゾのバイロイトライブ)を。日曜日には、『パルジファル』(ブーレーズのバイロイトライ ブを堪能)。その他には歴史的録音として、ムック他の録音を参照しました。
Edition Bayreuther Festspiele
Wagner: Parsifal (Gesamtaufnahme)
Wagner: Parsifal: The Complete Karl Muck Parsifal Recordings (1927 - 1928) / Orchestral Suite (Alfred Hertz) (1913)



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